偉大なる音楽家ジョン・レノン No.7

  • Jul 24, 2012
  • Pankie Koba

1964年は世界中にビートルズ旋風が吹き荒れた年でした。

その大きな要因はまず、「抱きしめたい」の大ヒットでしょう。

この曲はイギリスで1963年11月29日に5枚目のシングルとしてリリースされ、1週間後にはナンバー1でチャートに初登場し6週間もその座を守りました。1964年の1月17日までにイギリスだけで150万枚の大ヒットとなりました。

マネージャーのブライアン・エプスタインはアメリカ最大手のキャピタル・レコードに今回こそは彼らを翻意させようと熱心に口説き落とし、ようやくリリースまで漕ぎ着けました。

そして1964年1月13日にシングル・リリースされると、1月25日にはトップ40ヒットとなり、17週ランクされたうち7週間ナンバー1の座を占めました。(日本でも1964年2月5日にシングル・リリースされ、大ヒットしました。)

余談ですが、キャピトルはこの後ビートルズの宣伝費に前代未聞の5万ドルを注いだそうです。

そしていよいよ2月7日にアメリカに初上陸し、2月9日と16日に「エド・サリバン・ショウ」に出演。11日にはワシントン・コロシアムで初めてのアメリカ公演、12日にはカーネギー・ホールでの公演を行い、アメリカ中の若者を虜にしてしまいました。

なんと「エド・サリバン・ショウ」の第1回目の放送は最高視聴率を塗り替える72%を記録しました。番組の放送中は青少年の犯罪も激減したと言われてます。ビリー・ジョエルやブルース・スプリングスティーンもこの番組を観て衝撃を受けたと言ってます。

さて、「抱きしめたい」の曲についてお話しいたします。

この曲は1963年10月17日にアビー・ロード・スタジオでレコーディングされましたが、すでに10月13日のテレビ・ショー「バル・パーネルズ・サンディ・ナイト・アット・ザ・ロンドン・パラディアム」で演奏されてます。

作曲はジョンとポールの共作ですが、モチーフはジョンでコードとリズム作りはポールといった感じの曲ですね。この曲で特筆する点は、ジョンのリズムギターにおけるダブル・ノートのコード・プレイでしょう。リッケンバッカー325の分厚い低音域が、曲に厚みを出してます。

それとなんといっても手拍子ですね!これだけ最初から手拍子を入れた曲は今までなかったと思います。何気ないけど新しい試みです。

因みに、個人的にはB面の「ジス・ボーイ」の方が好きです。(当時の邦題はなんと{こいつ}でした。)

この曲はジョンの作詞・作曲ですが、あきらかにスモーキー・ロビンソンを意識して作ってるのがわかります。でも曲のサウンドとハーモニーはジョンならではの真骨頂が発揮されてますね。ジョンの歌うAメロパートよりもハーモニーのBメロパートの方が主旋律に聞こえるところがにくいです。「恋におちたら」「イン・マイ・ライフ」と並ぶジョンの最高のメロディアスな曲でしょう。

さて次回は、殺人的なスケジュールの中で作ったビートルズの最高傑作「ア・ハード・デイズ・ナイト」についてお話しいたします。

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