シーサイド・スーサイド

  • Jun 29, 2020
  • M

 

『人生は辛いことが多すぎる。だから、コーヒーくらいは甘いくらいがちょうどいい。』

そんな言葉を言ったのはラノベの主人公だ。生きることに耐えられなくて自殺を図る人も多々いるだろう。人生は辛い、つらみ・・・。

そんな時は感動の涙で心のデトックスをするべきだ。

 

オススメしたいのはタイトルにもあげた舞台「シーサイド・スーサイド」だ。

ハイブリット・アミューズメント・ショウbpmという演劇ユニットが太宰治生誕100周年を記念して作られた作品である。

太宰治自身も入水自殺をしているし、作品も人間の生と死をテーマにしている為、この舞台も人間の生き方や死に方についてを描いている。

 

あらすじは、お笑いコンビ「スーサイド」の西川と北野。

漫才の最中に北野が倒れてしまった。

癌により余命を告げられた北野は自身の望む死に方を選ぶ為に、悪魔と契約を結び願いを叶えてもらった。

西川は、北野と間違えられ天使と関わりを持ち北野の自殺を止めるために奮闘する。

命を捨てようとする者、それを止めようとする者、捨てさせようとする者、止めさせようとする者、既に捨てた者。

それぞれの想いが、笑いと共に、浜辺の上を転がっていく。

最も優しい涙が流れるファンタジー×ヒューマンドラマ×シチュエーションコメディ。

 

この舞台の魅力の1つに漫才がある。

冒頭にテレビ収録現場のような状況からスーサイドの漫才が始まる。

この漫才もクオリティーが高く本当の芸人さんが漫才しているようなクオリティーだ。

最初から笑いの連続で腹筋がやられてしまう。

そしてクライマックスでも同じ漫才を行うのだが、最初の漫才とは違って今度は非常に泣ける漫才に印象が変わる。

セリフのチョイスが非常に巧みだ。

脚本家の頭はどうなっているのだろうか。

漫才だけでなく登場人物のセリフにもその言葉選びが光る。

会話のすれ違い、予想外のしりとりの答えなどいい意味で予想を裏切ってくれる。

 

またこの舞台だが、先にも書いたが太宰治生誕100周年を記念している。

この「シーサイド・スーサイド」は「ハイカラ」というもう1つの舞台と交代で公演していた。

1日交代や最短でマチネ・ソワレ間の4時間ほどで、舞台のセットを海岸から神社へと入れ替えるという偉業をしている。

スタッフさんたちの手際の良さを考えると、「これぞエンタテインメント!」という気になる。

もう尊敬しかない。

 

かけがない相方のために命をかける男同士の友情。

その浜辺に舞い降りた小さな奇跡を皆さんの目でも確認していただきたい。

今だとDVDしか見る方法はないけど、機会があれば観て欲しい。

 

ながなが書いたが、最後は漫才風に・・・

「もうええわ!」

「どうもありがとうございました!!」

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